沢里尊の言葉のプロレス

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<<   作成日時 : 2007/02/04 10:54   >>

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彩は無言のまま老人を睨んだ。老人は全くひるむ様子もなく、また言った。
「裸になりなさい」
「イヤです」
「何かなその態度は?」
彩はマンションの恐怖体験を思い出した。ここはホテルの一室。萩原に裏切られたら助からない。
彩はわざと弱気な顔をして、老人の手を両手で握った。
「ダメですよ、そんな脅すこと言っちゃあ」
「ハハハ。かわいいねえ。じゃあ、きょうはそのかわいさに免じて許してあげよう。この次は裸になってもいいように準備をしてきなさい」
「約束はできません」彩は顔を赤くして言った。
萩原が戻ってきた。
「いやあ、萩原さん。いい子入れたねえ」
「そうですか」
老人の満面笑顔につられて、萩原も思わず笑みを浮かべた。
「もうだれにも渡さんよ」
「ハハハ」
彩はかしこまって二人の会話を聞いていた。萩原が小声で呟く。
「廊下で待ってて」
「ハイ」
「彩さん。約束だよ」老人はしつこい。
「してませんて」わざと照れたような笑顔を向けると、部屋を出た。
「ふう」
廊下に出ると、彩は、裸体のモデルというのはどんなものだろうかと想像して、妙な気持ちになってしまった。

つづく

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