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彩は無言のまま老人を睨んだ。老人は全くひるむ様子もなく、また言った。 「裸になりなさい」 「イヤです」 「何かなその態度は?」 彩はマンションの恐怖体験を思い出した。ここはホテルの一室。萩原に裏切られたら助からない。 彩はわざと弱気な顔をして、老人の手を両手で握った。 「ダメですよ、そんな脅すこと言っちゃあ」 「ハハハ。かわいいねえ。じゃあ、きょうはそのかわいさに免じて許してあげよう。この次は裸になってもいいように準備をしてきなさい」 「約束はできません」彩は顔を赤くして言った。 萩原が戻ってきた。 「いやあ、萩原さん。いい子入れたねえ」 「そうですか」 老人の満面笑顔につられて、萩原も思わず笑みを浮かべた。 「もうだれにも渡さんよ」 「ハハハ」 彩はかしこまって二人の会話を聞いていた。萩原が小声で呟く。 「廊下で待ってて」 「ハイ」 「彩さん。約束だよ」老人はしつこい。 「してませんて」わざと照れたような笑顔を向けると、部屋を出た。 「ふう」 廊下に出ると、彩は、裸体のモデルというのはどんなものだろうかと想像して、妙な気持ちになってしまった。 つづく |
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