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「女はどこへ行く?」 「レンタルビデオ店です」 「本の次は映画か」 すかさずゴリーレッドが聞く。 「映画も見ちゃいけないんですか?」 「そうだ」 「即答しないでくださいよ」ゴリーレッドは思わず笑った。 彩は駅前のレンタルビデオ店に入った。あちこち回っては手に取り、ストーリーやキャストを見ては棚に戻していた。 奥へ行った。危うく18歳未満入室禁止コーナーに入りそうになり、慌てて戻った。 店内は客が少なかった。彩のほかに男が一人、熱心に見たい映画を探していた。すれ違う。 鋭い眼光。逞しい肉体。スーツがはち切れそうだ。 「あッ!」 思わず声がもれた。彩は男に挨拶した。 「こんにちは」 男は振り向いた。しかし彩を見ても表情は動かない。彩は笑顔になった。 「こんにちは、きのうはどうも」 「きのう?」 「よく言いますよ、コーヒーショップでしゃべったじゃないですか」 「コーヒー?」 「そこの駅前の」彩は明るい顔をして指差した。 「いや、それはオレじゃないな」 「え?」 彩は笑顔を消すと、また店員がオランウータンだったことを思い出した。やはり夢だったのか。 つづく |
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