沢里尊の言葉のプロレス

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help リーダーに追加 RSS 魔 28

<<   作成日時 : 2006/10/28 23:36   >>

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ピンポン。
チャイムが鳴った。父はまだ仕事から帰ってこない。彩はイスから立ち上がり、玄関へ向かった。
「はい?」
「あたし」
「ああ」
彩はチェーンをはずし、ドアを開けた。職場の同僚の平杉加代子だ。
「こんばんは」加代子は「ちょっといいかなあ」ともう靴を脱いでいる。
「どうぞ」彩も笑顔で迎えた。
「お邪魔しまーす」
「お父さんはいないよ」
「そっか」
二人は彩の部屋に入った。
「まだ暑いね。ウーロン茶でいい?」
「いいよ」
加代子は畳の上にすわり、両膝を抱えた。彩はドリンクを運んできた。机にトレイごと置くと、楽しそうな顔をしてベッドに腰を下ろした。
「加代子残業だったの」
「ウン」
「あ、そうだ」彩は机に手を伸ばし、ノートを加代子に手渡した。「これ見て。絵コンテ書いたの」
「絵コンテ?」
「あたしはねえ、まずノートにだいたいのラフスケッチ書いて、それ見ながら本番の原稿に描くの」
「漫画家ってみんなそうなの」
「ほかの人は知らないよ」
「アウトロー」
「そう。自信作。これで新人賞取って一気にプロデビューよ。このオンボロアパートともお別れね」

つづく

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